Day1 Report
Cameron Touma

世界自然遺産の島である鹿児島県徳之島の花徳海岸(けどくばま)で記念すべき初となるWSLのプロジュニア戦 DAY1が本日無事に開催された。

花徳ビーチ

花徳ビーチは緩やかにカーブした湾となっており、サラサラの白い砂浜が約1km続いている。試合エリアはビーチの一番右側で開催され、右側の岩横からカレントを使って沖へ出る選手が多くみられた。

記念すべき徳之島町で初のWSL開催は、素晴らしい朝日と共にスタート

台風15号の影響で前日より波高が上がり、北東からの風速8m前後の風が早朝から吹いていたものの晴天で気温は23~27度前後と過ごしやすく、波数にも恵まれた初日となった。

今大会の開催、設営に当たってはコンテストディレクターの河合と徳之島町の方々、ローカルサーファーとの綿密なミーティングとコミュニケーションにより実現した。

広い駐車場、選手達のレストエリアやスポーツマッサージのブース、地元特産品ブースなども用意されており、選手達にとっても過ごしやすい会場になっている。

本部テントは砂浜より一段高い所に建てられ、ジャッジからも試合エリアの奥行きがしっかりと把握できる設営となっていた。

今大会のヘッドジャッジはWLS海外試合にも多く呼ばれるようになった橋本恋が行い、パネルジャッジには直近まで国内外の試合を回っていた元プロ選手達も加わり、世界基準での試合が進めらる。

アジアリージョンでのプロジュニアは全部で4戦ありその内ベスト2のランキングで1月にカリフォルニアで行われるWJC(ワールドジュニア)への切符(2名+ワイルドカード数名)が得られるかどうかが決まる。そしてここ徳之島・花徳ビーチが最終戦となり、WJC出場を狙うプロジュニア達にとって最後のチャンスとなる。または、WJCに出れなくとも、今シーズンの来週ランキングで来年へのシード権獲得も関係してくるため重要な試合となる。

ツアーリーダーである矢作紋乃丞は既に2戦優勝しており、WJCの切符を手に入れているため矢作は今試合出場していないが、ランキング第2位のマデ・アリヤナがインドネシアから出場している。

また3位の岩見天獅はチャレンジャーズシリーズでブラジルに行っているため、今大会には出場できなかった。4, 5位の2名のインドネシア選手も今大会には来ていないため、5位の長澤侑磨やそのランキング以降の日本人選手にもまだチャンスは残されている。

まず7時半からスタートしたのはメンズプロジュニア Rd of 24。

このラウンド、ヒート2にクレジットされていた松原渚生は練習で松葉杖を使うほどの足の負傷をしてしまい、残念ながら棄権することとなった。

このラウンドで目立っていたのは、ヒート1にクレジットされていたトウマ・キャメロン(AUS)、1本目で4.5、2本目で7.00と早々にスコアをまとめ難なくラウンドアップ。

Cameron Touma

ヒート2には和気匠太朗、6.17と5.83、トータル12.00とこのラウンドでのトータルハイエストを出した。

Shotaro Wake

そしてヒート3の安土弦もトータル11.67とし、トップ2ウェーブに入らないスコアでもいいスコアを幾つか出していた。

Gen Azuchi

続けて行われたRound of 16のヒート1ではランキング第2位のマデ・アリヤナが難なく1位でラウンドアップ。

Made Ariyana

かなりの接戦となってしまったヒート2は、どの選手もGOODレンジ以上のスコアを出せないままだったが、その中でも波を10本以上乗ったワケが前ラウンドと同様1位通過、2位は守城海。この2人がクオーターに駒を勧めた。

ヒート3もかなりの接戦となったが、クオーターに駒を勧めたのは山本来夢、そして安土弦。酒井仙太郎は美しいターンをするものの後1歩及ばず3位、4位は今現在ランキング7位に付けていた金沢タキ、という結果になった。

Taki Kanazawa
Sentaro Sakai

ヒート4も大きなスコアは出なかったものの、しっかりとフィニッシュをきめた長澤侑磨と岡野蓮が1, 2でクオーターに駒を勧めた。

Yuma Nagasawa
Hiroto Mori

続いてウィーメンズのプロジュニアクオーターファイナルの3, 4ヒートがマンオンマンで開催。

ヒート1, 2は1名のみクレジットとなったため繰り上がりとなり、ヒートはスキップとなった。

ヒート3ではアジアランキング第7位のレッド池田未来が1本目にややワイドブレイクへテイクオフ。崩れ落ちてくるリップへ抜群のタイミングで当て込み、大きくスプレーを上げコンプリート。この1マニューバーのライディングが5.67となり、落ち着いて波を選べる状況へ自分を持っていった。

バックハンドでスタートを切ったブルーの畑ハイネも落ち着いてライディングするものの、シャープな当てこみができるポケットをなかなか見つけることができない。ゲッティングアウトでは一度ビーチへ上がり、右からゲットをし直し最後まで諦めない姿勢を見せるも、池田の1本目の5.67が打撃となり逆転することは叶わなかった。

Haine Hata

これにより池田が明日へのセミファイナルへ駒を進めることとなった。

Mirai Ikeda

続いてヒート4ではオーストラリアを拠点にするレッドの馬庭サイが、彼女の経験値とスキルを出し難なくラウンドアップ。現在ランキングが第3位の馬庭にとってこのプロジュニア第4戦目は何としても落としたくない試合だ。

Sai Maniwa

グーフィーフッターの山田はレフト方向の波に乗るものの、どうしてもカレント方向に波が消えていってしまい、技を入れるスポットを見つけられずここで敗退となってしまう。

続いてスタンドバイとなっていたメンズのクオーターファイナルも行うことが決定し、潮が引くロータイドの時間帯にTOP8の選手たちの戦いがスタートした。

クオーターファイナルヒート1にはインドネシアのマデ・アリヤナ、対するブルーは守城海。

守城がアウトで波を待つのに対し、アリヤナはミドルセクションで掘れ上がってくる波を乗る作戦。

守城がレイバックやフィンを抜くバリエーションを意識したフローのあるライディングで攻めてくると、アリヤナはミドルの波を繰り返し掴みパンチのあるヒットを狙う。

結果、アリヤナがミドルで掴みバックハンドでスコアした5.67と4.37の2本が守城の2本より上回りアリヤナがセミファイナル進出を決めた。

ヒート2では和気匠太朗と、キャメロン・トウマのの戦い。先手に出るのはブルーの和気。オンショアの波のフェイスでも落ち着いた伸びのあるライディングを見せてくる。

レッドのキャメロンは1本目で3つのコンビネーションを入れまとめてくるものの、ソフトな仕上がりになってしまったのかスコアは3.90と伸ばせない。

そしてヒートは潮止まりと重なり、先ほどまでスコアできる可能性があった波がピタリと止まってしまう。膠着状態が続き逆転したいキャメロンにとっては歯痒い時間帯が続く。せっかく掴んだ波も味方してくれず、その裏からブレイクする波に和気がポケットを見つけ、すかさずシャープな1発を入れる。フィニッシュはインコンプリートなもののこのライディングが4.07となり結果このヒートのハイエストスコアとなる。キャメロンはその後も波に見放されここで敗退。和気がセミファイナルへとラウンドアップ。

続くヒート3ではレッドの山本来夢がクレバーな試合運びを見せ皆を驚かせた。

Raimu Yamamoto

ゲッティングアウトでは試合会場の左側からフリーサーファー達がいるエリアへまず向かった。

今まで誰も使っていなかったピークで波を待つ山本。そこから右へ150mほど離れたピークでブルーの岡野レン。

レッドは1本目からバックハンド狙いで安定したライディングを繰り返し披露する。コンビネーションで、フィニッシュの難しいセクションもしっかりと前に出て決めてくる。

対するブルーはライト方向へ1マニューバー、エアーリバースを何回もトライするもののコンプリートすることができない。トータル12本の波に乗ったものの、結果スコアにつながった8本目の3.87が岡野のハイエスト。

Ren Okano

ヒート終了時間が7分となった所で山本が岡野のピークへ移動し、後半ようやく追い上げてきた岡野を抑えそのまま山本がセミファイナル進出を決めた。

Day1の最終ヒート4は、レッドに安土弦、ブルーにライキング5位の長澤侑磨、グーフィーフッター同士の戦い。

先ほどのヒート3を見て考慮したのか、山本と同じ左のピークにブルーの長澤、右のピークは安土と分かれたポジショニングからヒートはスタート。

ブルーの長澤はいつも魅せるエアーリバースは出さなかったものの、乗った波はフィニッシュまできっちりとメイク。的確なボードコントロールを見せてくる。

対する安土も右のピークでライト方向、バックハンドでフローのある4発のコンビネーションを披露する。

しかり長澤がトップでのヒットで力強さも合わせ出してくることで長澤がトップ2ウェーブとも安土を上回りセミファイナルへ駒を勧めた。

Yuma Nagasawa and Interviewer Minato Takahashi

すでにメンズ、そしてウィメンズPro Jr.はトップ4が決まり、U16 Boys そして U16 Girlsもヒートの方が発表されている。

このTokunoshima Town Pro Junior、明日からも引き続き台風15号の恩恵を受け波は続く予報となっている。地元サーファーの方々のローカルノーレッジも頂きながら、明日DAY2、そして明後日のファイナルデイに注目していきたい。

碇山さん率いるチーム奄美大島
徳之島では伝統でもある闘牛の熱い戦いも年三回開催されている
ライブ配信は選手に向けてのビーチアナウンスを放送
View from the Judge tower
日本全国から集まったジャッジメンバー
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