風が弱まり花徳浜がクリーンアップ。男女ベスト4が決定
Shino Matsuda (JPN)

「TOKUNOSHIMA TOWN PRO QS 2,000」は大会2日目を迎え、Women's、Men'sともにRound of 16からQuarterfinalまでが行われた。

波のサイズは昨日より下がったものの、セットは頭前後をキープ。朝は昨日と同じく強い北東の風が吹き、海面には乱れが残った。

午後に入ると風が弱まり、海面も次第にクリーンな状態へと変化。形の良い波を選べば3ターンを入れられる、選手たちにとって申し分のないコンディションとなった。

空には青空が広がり、気温も昨日以上に上昇。その暑さの中でも、徳之島で開催される世界大会を一目見ようと、子どもから大人まで多くの観客が花徳浜を訪れた。世界を目指す選手たちのサーフィンを間近で見守り、良いライディングが決まるたびにビーチから歓声が上がった。

Women's Round of 16

Heat 1には脇田紗良、馬場心、石田海夏、インドネシアのキア・ヒューアーがクレジットされた。

序盤から動いたのはトップシードの脇田。5点台をスコアし、早々にヒートの主導権を握る。馬場と石田も応戦し、それぞれ4点台をマークした。

中盤には、まだ中学生の石田が力強いバックハンドアタックを披露。ワンターンで5点台をスコアし、一気に1位へ浮上する。一方のヒューアーは波とのサイクルが合わず、形の良い波をつかめない時間が続いた。

後半に入ると、再び脇田が動いた。パワフルなフロントサイドリップで4点台を加え、石田を逆転してトップへ。そのまま脇田が1位、石田が2位を守り、Quarterfinalへ進んだ。

Heat 2にはハナ・バッカー、鈴木莉珠、川瀬心那、平田咲帆が登場した。

前半はロースコアが続いたものの、中盤に差しかかるとバッカーが5点台をマーク。平田も形の良い波をつかみ、バックサイドのアプローチで4点台をスコアした。

まずまずのスコアを2本そろえていた鈴木だったが、後半に入るとヒートが大きく動く。バックアップが足りていなかったバッカーと川瀬がそれぞれスコアをそろえ、1位と2位のポジションへ浮上。そのままタイムアップを迎え、バッカーと川瀬がラウンドアップを決めた。

Heat 3は、オリンピアンの松田詩野、芳田花瑚、佐藤李、庄司莉花による戦いとなった。

松田は1本目から4点台後半をマークすると、その後も3点台を加え、着実に2本のスコアをまとめていく。

中盤には佐藤も4点台を出して2位へ浮上。庄司も3点台後半をスコアして追い上げる。一方の芳田は、序盤から波とのリズムをつかめず、ミスが目立つ苦しい展開となった。後半に入ってようやく3点台をマークしたものの、そこから追い上げることはできなかった。

終盤に松田と佐藤がさらにスコアを伸ばし、トップ2のポジションを確保。そのまま2人がQuarterfinalへ勝ち上がった。

Heat 4には松野杏莉、池田美来、馬庭彩、松永莉奈がクレジットされた。

池田は先日行われたアジア競技大会で金メダルを獲得し、ロサンゼルス2028オリンピックの条件付き出場枠を手にしたばかり。今大会でも注目を集める選手の一人だ。

中盤までは各選手がそれぞれ1本のスコアを持ち、バックアップをそろえた選手が抜け出す展開となった。

最初にヒートを動かしたのは松野。大きなターンを2発入れて6点台をスコアし、一気にヒートリーダーへ浮上する。池田も4点台のバックアップをそろえ、2位のポジションにつけた。

終盤には馬庭が4点台をマークして池田を逆転。松永も4点台を持っていたが、最後までバックアップを塗り替えることができなかった。松野が1位、馬庭が2位となり、Quarterfinalへ進んだ。

Men's Round of 16

潮が引くにつれて、アウトから形の整った波が割れるようになった。その一方でインサイドは依然として大きく掘れ、最後の難しいセクションをどのように処理するかが勝敗を分けた。

Heat 1には藤田、浜矢凪、和氣匠太朗、上山キアヌ久里朱が登場した。

序盤はワンターンでのスコア争いとなり、パワフルなサーフィンを持ち味とする藤田が4点台をマークする。

中盤には浜矢も4点台をスコアし、各選手がバックアップとなるもう一本を探す展開となった。

ここで上山が形の良い波をつかむ。波の変化に合わせながら4つのターンを入れ、7点台のグッドスコアをマークして一気にトップへ。その後、バックアップをそろえた浜矢が2位へ浮上し、上山と浜矢が勝ち上がった。

Heat 2には西優司、加藤翔平、足立海世、金沢呂偉がクレジットされた。

このヒートで圧倒的な存在感を見せたのは西だった。前半から8.83と6.17をたたき出し、トータル15.00をマーク。今大会のベストシングルスコアとベストトータルスコアを同時に更新し、早々にヒートを支配した。

残る加藤、足立、金沢は2位を争う展開となった。3人がそれぞれ4点台、5点台をスコアし、もう一本をそろえた選手が抜け出せる状況となる。中盤に足立がバックアップを塗り替え、2位へ浮上。加藤と金沢も最後まで攻め続けたが逆転に必要なスコアには届かず、西と足立がQuarterfinalへ進んだ。

Heat 3には松野太郎、大音凛太、山本來夢、鈴木仁が登場した。

前日から勢いに乗る松野は、開始直後に7点台をスコアして一気にリード。他の3名が松野を追いかける展開となった。

最初に動いたのは山本。5点台をマークし、2位へ浮上する。中盤には鈴木も4点台をスコアすると、続けて4点台後半をマークして山本との差を縮めた。大音も4点台を出し、全員に勝ち上がりの可能性を残したまま後半戦へ入った。

ここで鈴木が大きなエアーをメイク。シングルマニューバーで6点台を引き出し、一気にトップへ浮上した。

しかし松野もすぐに反応し、バックアップスコアを塗り替えて再び1位へ。最後まで高いレベルで順位が入れ替わる中、松野と鈴木がQuarterfinalへの切符を手にした。

Heat 4は須田喬士郎、増田来希、安室丈、岩見天獅の4名による戦いとなった。

最初に試合を動かしたのは須田。立ち上がりから4点台をスコアすると、それに続くように岩見が5点台、安室が4点台後半をマークした。

中盤にはバックアップをそろえた岩見がトップへ。増田もまずまずのスコアを2本持っていたが、勝ち上がるためにはさらに高いスコアが必要となった。

須田が再び4点台をそろえてポジションを固めようとする中、安室が5点台をマークして2位へ浮上。岩見も6点台を加えてリードを広げ、そのまま岩見と安室がラウンドアップを決めた。

Women's Quarterfinals

Heat 1では、2025年の同大会で優勝したディフェンディングチャンピオンの川瀬心那と、韓国で行われたQS 6,000でも好成績を残した脇田紗良が対戦した。

脇田は現在アジアランキング5位、川瀬は11位。Semifinalへ進出すれば獲得ポイントも大きくなるため、両者にとって重要なマンオンマンとなった。

立ち上がりは川瀬が3.33をスコアしてヒートをスタート。ファーストプライオリティを持って波を待っていた脇田は、開始から8分ほど経過したところでセットをつかんだ。

カービングからクローズアウトセクションへのロールインを狙ったものの、最後のセクションを惜しくもメイクできず、スコアは2.33にとどまった。

ここでプライオリティを持った川瀬が、サイズのある形の良いセットをキャッチ。2発のターンを決めて5.83をスコアし、ヒートをコントロールし始める。

脇田もすぐさまセットをつかみ、大きなワンターンを決めて5.33をマーク。川瀬との差を縮めた。

後半には、アンダープライオリティの川瀬が再び形の良い波をつかみ、クイックなバックサイドの2アクションで5.20をスコア。その差をさらに広げることに成功した。

逆転に5点台が必要となった脇田だったが、残り時間に狙っていた波は入らずタイムアップ。ディフェンディングチャンピオンの川瀬が接戦を制し、Semifinalへ進んだ。

Heat 2は、中学生の石田海夏とハナ・バッカーの対戦となった。

開始早々、形の良い波をつかんだ石田が4.83をスコア。開始からわずか3分で、まずまずの得点を手にした。バッカーもすぐに波をキャッチし、3.33を返した。

そこから波数が減り、両者とも長い時間波に乗らないスローな展開へ。中盤までほとんど動きがない中、プライオリティを持った石田がバックサイドでターンを重ね、2.73を加えてリードを広げた。

バッカーも波に乗って応戦するが、逆転には届かない時間が続く。

ヒート終盤、じっくりと波を待っていたバッカーが形の良い波をつかみ、5.43をスコアして逆転。さらに4.57を加えてリードを広げ、そのままSemifinal進出を決めた。

今回の遠征は祖父と一緒に過ごしており、会話をしたり音楽を聴いたりしながら、自分のペースでリラックスして調整できているという。普段はカリフォルニアやカウアイ島で練習していることもあり、徳之島の雰囲気も気に入っているとコメントした。

Heat 3は、オーストラリアの大学に通いながらサーフィンに励み、日本の大会にも積極的に参戦する馬庭彩と、パリオリンピック日本代表で、韓国のQS 6,000では3位に入った松田詩野の対戦となった。

ヒートはスローな立ち上がりとなったが、中盤に松田が5.33をスコアし、馬庭にプレッシャーをかける。

ここで馬庭がすぐにアンサーバック。力強いフロントサイドアタックを2発入れ、7.00をスコアして形勢を逆転した。松田が追いかける立場となる。

勝負が動いたのは残り数分。松田が3発のバックサイドターンを見せ、6点台をスコアして再逆転。プレッシャーのかかる終盤で勝負強さを発揮した松田が、シーソーゲームを制した。

Heat 4では佐藤李と松野杏莉が対戦した。

スタートから積極的に攻めたのは佐藤。1本目で3.50、続く2本目で4.83をスコアし、前半のうちに2本をまとめた。

一方の松野は、マニューバーを最後まで決め切れない時間が続く。中盤に4.50をマークして差を縮め、一気にリズムへ乗るかと思われたが、その後はフィニッシュターンでのミスが続き、スコアを伸ばし切れなかった。

両者とも得点が動かない時間が続く中、佐藤がレフトの波をつかみ、大きなワンターンを披露。この波で4.77をスコアし、リードを広げることに成功した。

松野も最後まで果敢に攻め続けたが逆転には届かず、佐藤がSemifinalへ進んだ。

Men's Quarterfinals

Heat 1は、足立海世と上山キアヌ久里朱の対戦となった。

この時間帯は波数こそ多いものの、どの波がスコアにつながるのかを見極めるのが難しいコンディション。その中で足立は、開始直後から積極的に波へ乗る作戦を選んだ。

早々に4点台をスコアすると、アンダープライオリティの時間には少しインサイドで待ち、入ってきた波へ積極的にテイクオフ。その中から6点台を引き出し、一気にリードを広げた。その後も止まることなく波へ乗り続け、終始攻める姿勢を崩さなかった。

対する上山は、中盤に4点台をスコアすると、そこからじっくりとセットを選ぶ戦略へ切り替えた。潮が引いていたこともあり、ポジションを少しアウトへ移して、サイズのあるセットを狙う。

しかし大きめのセットは途中のセクションが緩慢になり、クリティカルなヒットを入れられず、スコアは4点台から伸びなかった。

異なる戦略がぶつかったヒートは、そのままタイムアップ。積極的に波へ乗り続けた足立が勝利し、Finals Dayへ進んだ。

Heat 2は、前日から調子の良さを見せていた西優司と浜矢凪の対戦となった。

西はスタート直後から仕掛ける。会場左側で波をつかむと、きれいな2発のコンビネーションを決めて5.50をスコア。その流れを止めることなく、さらに6.50をマークしてヒートをコントロールした。

浜矢も4.50をスコアして反撃したが、西の持つ2本のスコアを上回ることはできなかった。そのまま西がリードを守り切り、Semifinal進出を決めた。

兄とともに徳之島を訪れている西は、「兄の指示どおりに動いただけ。そのあたりはすべて任せている」とコメント。互いを理解し、強い信頼関係で結ばれたチームを倒すのは簡単ではなさそうだ。

Heat 3では、ISA Under-16 Boys銀メダリストの松野太郎と、長年トップレベルで戦ってきた安室丈による新旧対決が実現した。

ISAで銀メダルを獲得したことで、さらに自信をつけた松野。今大会でもその勢いのまま快進撃を続けていた。

しかし、このヒートでは経験豊富な安室が落ち着いた試合運びを見せる。序盤から必要なスコアをまとめ、自分のペースでヒートを進めた。スコアを固めた後は松野をマークし、逆転につながる波へ乗せない戦略へ切り替えた。

「松野は若くて勢いのある選手。だからこそ早めに自分のスコアを伸ばし、その後は近くにいたかった」

安室はヒート後にそう振り返った。勢いのある若手に対し、試合経験と戦略を生かした安室が勝利し、Finals Dayへ進んだ。

Heat 4は、岩見天獅と鈴木仁の対戦となった。

開始から両者ともに攻める姿勢を見せる。鈴木は1本目から形の良い波を見つけると、難易度の高いセクションからフィニッシュまで豪快に決め、6.33をスコアした。

対する岩見も開始直後に3点台を出すと、続けて6.17をマークして応戦する。

ここで鈴木が、ワンターンの大きなエアーリバースをメイク。高難度のマニューバーをクリーンに決め、この波で7.50をスコアした。残り時間を17分残しながら、岩見は高得点を追いかける立場となった。

岩見も最後まで果敢に攻め続けたが、後半はミスが目立ち、鈴木のスコアを上回ることができない。そのままタイムアップとなり、鈴木がSemifinalへ駒を進めた。

男女ベスト4が決定

大会2日目を終え、Women's、Men'sともにベスト4が出そろった。

Women's Semifinalは、連覇を狙う川瀬心那とハナ・バッカー、オリンピアンの松田詩野と佐藤李が対戦する。

Men'sは足立海世と西優司、安室丈と鈴木仁がFinal進出をかけて激突する。

風が弱まり、花徳浜本来の形の良いブレイクが姿を見せた大会2日目。いよいよ明日はFinals Dayを迎える。タイトルとランキングポイントをかけた最後の戦いは、どのヒートも目が離せない。

Text / @Dai Wako
Photo / @charfilm

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